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館長 松竹恵里子

更新日:2018年11月19日
【らしくなる】

 突然ですが最近誰かをしっかりと支えた事ありますか? 子どもが小さい時、毎日数えきれないくらい「ママ〜」と頼って来た時しっかりと受け止める、そんな「支え」です。
 その頃はあまりにも当たり前の日常だったので、何とも思っていませんでしたが、今はこんな信頼を一手に受け止めてあげる事からはすっかり遠のいた生活になってしまいました。まあ子育てが終わった私の年齢になると当然といえば当然です。
でも、最近この感覚をまた思い出させてくれる事が度々あります。
 さいとぴあ館内でお具合が悪くなった高齢の女性の為に救急車を呼びました。意識はしっかりされていましたが、息苦しそうだったので手を握りながらもう一方の手で背中をさすっていると、座っているのもきつかったのか寄りかかってこられました。この時は心配でいっぱいだったので気づきませんでしたか、後からこの時の感覚は新米お母さんだった頃の感覚と同じだと気づきました。
 また、ここ数年すっかり弱った実母の手を握る事が増えました。細くなった母の手は、親に頼る側から親から頼られる側に変わった事を告げています。
 かつて我が子から頼られる事で少しずつ親らしくなっていった私でした。今度は母たち年代から頼られることで、高齢者を支える担い手になる立場です。
 誰しも経験を積みながら親になるように、今から私達は少しずつ「高齢化社会を支える人」に育っていかなくてはと感じるこの頃です。でも、直ぐにはその担い手にはなれそうにないのて、まずは少しでも近づけるよう、「らしくなる」ことを目指そうと思います。



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